2022年10月09日
昔からの道具に惹かれるのは・・
三保原屋本店は静岡の商店街にある家庭用品店です。
創業は1687年ですが、昔から変わらず販売しているものもあります。
最近は共働きを背景とした家事を手伝ってくれる家電が人気だったり、
ニトリや無印良品・100円ショップをはじめ、生活インフラとも呼べるお店が生活を支えてくれています。
そんな便利な時代にも古くから使われている道具が人気になったりします。
その理由を悶々と考えています。
最近考えているのは・・生活様式の変化に伴うニーズの変化です。
①LDKやインテリアという言葉がでる前の暮らしは・・・
土間や縁側など、家の中と外が曖昧な生活が日常だったのだと思います。
大きな家でなくても、何気ない生活のなかに「四季や楽しみ」が感じられたのではないでしょうか。
②LDKという概念になった頃に・・
外との繋がりが一度外れて、インテリアにより四季や趣味で室内を彩り、楽しむ生活が始まったのかなと思います。
③そして現在・・
無駄なものは買わない、できるだけシンプルに、という形を前提とした生活が進んでいます。
その中で、新米を土鍋で炊いてみたり、暑い日は涼し気な竹製品を使ってみたりと・・
部分的に「強いこだわりがなくとも、生活の道具と一緒に、日々をちょっと楽しみたい」という方が増えているように感じます。
そして、それらの多くは、昔の方に聞けば特別なことではなく、ごくごく日常のコトだったんだと思います。
戦後の三保原屋は、復興期のお客様が「楽しい生活を求めている」ことを認識し、天然素材の家庭用品店だった店舗から、
「落としても割れない、カラフルで、軽い」日本では出始めのプラスチックを扱う家庭用品店へと変化しました。
そして現在も「ちょっとした楽しさ」を提供できるお店でありたいと思っています。
大手メーカーさんとは社会的な役割が違う、地域のお店として、愛着をもって永くつかえる家庭用品を提案していきたいと思います。